2.一気通貫

働くということは、社会における役割分担によって、誰かにために仕事をし、貢献したお礼としてお金をもらうことでした。
しかし、社会が複雑化したため、仕事は細分化、専門化され、自分の仕事にお礼を言ってくれる人と、自分にお金を払ってくれる人は一致しなくなりました。自分の仕事が誰の役に立っているのか、つまり誰かに貢献できているのかどうか分かりづらくなってしまったのです。

どんなに頑張って仕事をしても、ありがとう、という言葉は得られない。そうなると、ついつい、貢献を追い求めることを忘れ、より多くのお金を得られる仕事に走りがちです。そうやって、複雑な仕事のプロセスは、部分最適化し、全体としては最適ではなくなってしまうのです。

だからこそ、「一気通貫」という視点が重要になります。一気通貫とは、仕事のプロセス全体を俯瞰して、その仕事が全体として貢献度が高まるように最適化することです。伝言ゲームのようにプロセスを回すのではなく、全員がゴールを見ながら各プロセスをゴールに向かって成し遂げることで、貢献が最大化されます。そのために、ビジョンや戦略という大きな地図で、本当のゴールを共有する必要があるのです。