17.お客様が本当に求めているものを知る

お客様が、「ネットショップを作りたい」と言ってウェブ制作会社に相談したとします。しかし、お客様がネットショップでやろうとしていることは、仕入れ品を右から左に流すだけのネットショップだったとします。おそらくそれでは売れません。その時、「それではウェブサイトを制作しましょう」と言ってよいのでしょうか。

本当にお客様が求めているのは「ネットショップ」ではなく、「利益」ではないでしょうか。それなら、利益を生み出す提案をすれば何でも良いのか、というとそうではありません。コンサルティングをしていると良く感じることですが、経営者が求めているのは単なる利益ではないのです。事業の状況が良くない企業であれば、より利益を出すために、新しい取り組みをしなければならないときがあります。しかし、経営者としては、そのやり方が好きではない。市場が求めていて、社会にとって良いことだとしても、それをやりたくない、と言う方は多いのです。そこに、「経営者の求めるもの」が見えるわけです。

たとえば、伝統産業であれば、受け継がれた技術や文化を守りたい、とか、自分はいいけど、下請けに依頼する仕事が減ってしまう、とか、従業員がその変化を受け止められない、など、ただ「利益」を求めるのではなく、「〇〇による利益」を求めていることが多いのです。それを知らずして、お金だけの貢献を目指してもうまく行かないのです。