4.戦略は「選ぶ」のではなく「描く」

戦略を立てるというと、強みや環境変化を前提にいくつかの可能性を引き出し、絞られた選択肢の中からどれかを選択する、というイメージを持っている方が多いと思います。しかし、それは戦略としては2流だと思います。

本当の戦略は、「選ぶ」のではなく「描く」のです。実現が簡単な戦略ほど真似されやすく、実現が難しい戦略ほど真似されにくいものです。そのため、合理的な選択肢として提案できる程度のものは模倣されやすいのです。
本当の戦略は、多くの人が「それは無理だ」というものです。だからこそ、真似されにくく、優位性を築くことができます。そして、「それは無理だ」を実現するエネルギーとして、経営者の情熱が必要です。この人だから出来ること、それが正しい戦略であり、価値を生むことです。

論語によれば、「馬は走るのが早いから走るのが仕事であり、牛は力が強いから重い荷物を持つのが仕事」だそうです。人間社会の分業も同じでしょう。