13.見積もりは語る

見積もりが嫌いな方は多いでしょう。その理由は、良好な関係を築きたいクライアントに対して、見積もりという作業は利害の綱引きに思えるからでしょう。仲良くしたい人に嫌な思いをさせる。言いにくいことを言わなくてはならない。そう思っている人は、おそらく費用だけを見積もっているのだと思います。

本当の見積もりは、まず成果を見積もり、次にそれに必要な費用を見積もるのです。お客様に言われたことをする作業者の視点だと、ついついお客様に言われた通りにするための費用だけを見積もってしまいがちです。お客様は、成果が見えず、費用だけを提案されると、お客様は極力費用を抑えたいと思うのです。しかし、お客様に貢献しよう、という視点で仕事を受けるなら、まずはお客様にどう貢献できるか、成果の企てから入ります。その結果、ベストな成果を出すための費用の提案が可能になります。お客様は、より良い成果のために費用が増えるのであれば、そのほうが良い、と思うのです。これが貢献を見積もる、と言うことです。

そういう視点で見積もりをするなら、見積もりは成果を決める重要なステップであり、またお客様に対して、「自分は言われた通りにするのではなく、お客様にとってもっともよい選択肢を提案したいのだ」という価値観が伝わります。これによって信頼が生まれ、一歩成功に近づくのです。見積もりを見るだけでその人の価値観や姿勢が伝わるのです。