11.ターゲットを絞り込む 戦略が動き出す

事業をつくるということは、価値をつくるということです。モノをつくれば必ずしも価値が生まれるわけではありません。ビールが飲みたい人にジュースを与えても価値を感じてもらえません。価値とは、特定の誰かにとっての価値であって、万人に共通の価値と言うのはありません。

だからこそ、事業の枠組みである戦略を立てるときに最初に考えなければいけないのは、「ターゲットとなるお客様は誰か」と言うことです。普通は常日頃から接しているお客様の中で特定のタイプの方をイメージしたり、自分自身の経験から、「こんなときにこんなモノがあればいいのに」といった具合に、ターゲットをイメージします。

これが出来ないと、戦略を立案するのは難しいのです。良くある失敗は、ずっと長い間同じようなお客様に同じような価値を提供している場合です。従来のお客様は自社の提供する商品やサービスに満足しているからこそお客様で居続けれくれるわけです。だから、ついつい「自社の商品への満足度は高い」と思ってしまいがちです。しかし、実際は満足している人しか買っていない、と言うだけです。また、卸業や、代理店の下請けをしていると、お客様と直接接することが無いため、お客様が自社の商品に満足してくれているかどうか、買ってくれているのはどんなタイプのお客様なのか、などが見えなくなってしまいます。

この状態が長いと、戦略を立てるためのお客様理解(市場のニーズの分析)に時間がかかってしまいます。そんなときは、とにかくお客様に会いに行くことです。