お客様に選ばれるためには、競合他社との違いが無ければなりません。しかし、違っていれば良いというわけではなく、お客さまから見てその違いが「価値」と感じられなければ選ばれる理由にはなりません。
たとえば、年配者向けの健康食品の会社が、お客様に選ばれるために、成分としてビタミンCを加えたとします。大は小を兼ねると言いますから、まったく同じであるよりも、追加で何らかの成分が入っていた方が、選ばれやすいと感じるかもしれません。しかし、お客様の立場になってみれば、いま期待している健康効果に近いものでなければ、価値とは感じにくいものです。差別化は出来ましたが、差別的優位点にはなっていない、ということです。
当たり前のことのようですが、この違いに気付きにくいのは、お客様のニーズが変わった時です。たとえば、かつて不動産屋は同じような物件を扱っていても、駅前にあることで利便性と言う差別的優位点で勝負していました。しかし、最近では、ネットで物件を探す方が増え、以前は優位点であった「駅間にある」という立地は優位点ではなくなったのです。顧客の変化により優位性とみなされる価値も変わるということです。